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    November 18

    特別授業第5回、

    おはようございます。今日の授業では、デジタルの世界全体のいろんな領域でいったい何が起きているのかというのをカバーする形で、デジタルへの大きな流れが生まれているのを見てゆきたいと思います。そして、今回の話が終わると、この特別授業も後3回しかないのね。その3回の中でどういう講師をお招きして、どういうお話を頂くかということの最終的な合意を今日の後半でとって行きたいと思います。

     

     

     

    デジタルの世界というのはデバイスの話だけじゃなくて、パラダイムシフト(注: 時代の変遷につれて革命的・非連続的な変化を起こす事)が起こっています。土台そのものが大きく変わることで、新しいサービス、デザイン、ビジネスモデル(ビジネス体系とお金の流れ)、社会生活から文化の領域まで変わっていきます。次世代を担う皆さんに是非考えて欲しいことは、変貌するデジタルの世界を単に受け入れると自分の生活がどのように変わるかということだけじゃなくて、こんな生き方、生活をおくりたいとイメージして、それを実現するために自らがデジタルの世界を能動的に使うという発想です。それはデジタルをどういう風に使ったらいいかなと考えることだし、こんな新しいデジタルの世界を創ってくれたら自分の考える豊かな生活が実現するかもしれないよということです。それが2つ目のテーマです。最後に、今後の講師案。いくつか出てきた中で、残りの3人をどう選定して、講師依頼を進めるかその手順を改めてお話しようと思います。 それからQ&Aまとめといします。

    では、最初、デジタルの世界。これまでのまとめとして、

     このスライドに記されている内容は、まとめの”その1”です。まとめだけで3枚のスライドがあるので、まず3分の1がここに箇条書きになっています。

    デジタルの音楽に何が起きているか、デジタル放送、電話、テレビ、パソコン。今までの授業の中でも触れたことが順次でてきますが、それ以外にお話できていなかったそれぞれの最新デジタル技術や新しいサービスなど...それらのお話を先ずしましょう。

     

     

    デジタル・ミュージックというと、MDの世界やCDを借りてきてパソコンに取り込んで、携帯型プレイヤーで聴くとかをイメージすると思いますが、もっと大きな幅広い変化がおきています。ネットから音楽をダウンロードするという環境が、皆さんの知っている音楽におけるデジタル化でしょう。

    実際には、音楽の世界ではもっと広い範囲でデジタル技術を利用したいます。まず、音楽の制作現場でデジタル技術がどのように活用されてきているのか、音楽を創るプロセスが大きく変わったというのをお話しましょう。最近のスタジオ機器、SSL,DigiDesignとかProToolsとかを知ってる人はいますか? Sound&Recording無線と実験なんて雑誌定期購読してる人はいるのかな? ....反応無し...
    昔は、音を録る、、テープに記録する、編集加工して、最後にレコードやCDのマスターを制作するというプロセスは全てアナログの世界でした。現在までには少しずつ各段階の機器ごとにデジタル化しています。例えば、録音するマスター録音装置のアナログテープがPCM録音になったのは1978年のことです。、それ以来、レコードやCDのマスターテープは2インチくらいの幅のテープにデジタル録音されています。PCM録音機器はさらに進化してポータブルVTRのベータマックステープを使うPCM F-1は1981年、DATというテープベースの録音機材は1987年に産まれ90年代初頭には普及しました(DTC-1000ESTCD-D10TCD-D7TCD-D8DTC-A8PCM-M1)、平行して1991年のMD発表は、一般消費者向けMDブームのキッカケ

    プロ用の録音装置は、AES/EBUをサポートする総合システムるOtariのDigital Archive System:DAS や24ch48chの録音装置DR-100など現在では、ALESISの24トラック、96Khzでサンプリングできハードディスクに録音できるような装置,adatHD24などが、従来のPCM録音装置の10分の1以下のコストになってしまいました。さらにそのような、専用機ではなく、PCやMacのハードディスクにFireqireやUSB2.0経由で接続した機器で録音するという環境(M-AudioRME Fireface800,) もポピュラーなものとなりつつあります。

    CDの発明は、1981年です、1982年10月1日に最初の製品CDP-101その後ポータブルCDの最初の製品D-50をデビューさせるのでした。

    音楽を取り込むスタジオのコンソールもSSL AWS900やDigiDesignのD-Control&D-Commandは48チャンネルのやつで、Venueはコンサート用に持ち運びができるもの。これらはプロ用のスタジオ機器ですから数百万円から数千万円のレンジです。 一般・個人ユーザー向けには、M-Boxを使って個人用ProToolsで取り込むシステムは、記憶装置としてMacintoshやパソコンのUSBポートもしくはIEEE1394を使ってパソコン/Macのハードディスクに直接録音できるようなシステムです。それから、デジタルMTRというミキサー+録音専用機で本体にCD-Rやハードディスクがついていて、直接音楽を編集して、ハードディスクにいれて、CDに書き込めるような装置も3万円から8万円で手に入るようになっています。いままでは、一定のクオリティの音楽をアナログ装置で制作しようとすると何百万も何千万円もしたものでしたが(いまでも、D-Contorol&D-Commandは相変わらず目玉飛び出るような価格ですけれどね)、M-Audioスタインバーグなんていうのは初期コスト3万円から4万円で、プロ用の機材に匹敵するCD音楽の4倍品質(192Kbps/24bit/16ch)の音楽をパソコンのハードディスクに録音することができます。個人用で使う録音のプロセスの中で、従来ではアナログで入力してカセットテープに落としていたものが、ハードディスクになってCD-Rに書き込めて、イコライザーやサンプリング、トーンコントロールなども掛けられるような機器が充実してきました。音楽を生成するプロセスの中でデジタル化がどんどん進んでいます。

    また、従来のコンサートではマイクロフォンから編集装置まで、そして、そこからアンプを通してスピーカーまで全てアナログ信号で伝送していました。これだと、それぞれの機器間で音の劣化があるし雑音を拾うこともあります。大きなミュージック・コンサートでは会場中ほどに設置した編集卓とステージの間がから50mから100mぐらいあります。その編集ブースでミキシングされた音楽はまた、ステージのアンプとスピーカーまでアナログの信号で伝送されていました。ステージ上から編集ブースの間にマイクロフォンのケーブルが10本も20本も30本も行き来していると、誰か1本引っ掛けたらボーカルのマイクだけ通らねぇぞという話に当然なるでしょ。アナログのケーブルをいつも20本30本引き回すことのリスクをしょってたわけ。ところが最近のステージを見ていると、ステージにはマイクロフォンをさす集合型のボックスがあってね、そこから光ファイバーになって編集卓まで届いている。さらに、マイクの音を多重化して光ファイバーに乗せているだけじゃなくて、プリアンプからパワーアンプまでの出力は光ファイバーで出力し、さらにIP化しているのでネットワークと同じ形でコンソールから各アンプに音を振り分けている。具体的な製品として、Onyx 800Rやその活用事例とライブデジタルコンソールのTT24 ,さらにヤマハのデジタルミキサー群やRAMSAの製品などに展開していくのです。

    音楽制作の現場では、音を編集するコンソールだけではなくて、音を伝送する技術、それから5.1chの立体音響を創るなどあらゆる分野でデジタル技術が使われています。

    そのような編集・プロダクション以外にデジタル楽器の世界も大きな発展をしていますね。たとえば、ミュージック・シンセサイザーの世界では、YAMAHAローランドコルグなどのキーボード製品以外に、音楽作成ソフトにプラグイン可能なバーチャル楽器も充実しています。 単品のバーチャル楽器としては、ギターベースピアノシンセ、なども充実していますが、フルオーケストラの各パートをサンプリングした27Gbの音源データと提供されるHAILON SYMPHONIC ORCHESTRA などもあります。電子楽器の歴史は、1959年に遡るのですが、本格的なデジタル楽器の登場は1977年のヤマハ・エレクトーンE-70に採用されたデジタル音源そして本格的デジタルfm音源を搭載した1981年のGS1あたりだったのでしょうか(80年代後半にヒットしたTOTOやチックコリアのコンサートに出てきますね)..その後一世を風靡した1983年のDX7、1990年のデジタルドラムDD-6、1993年のバーチャル音源を採用したVL1、1998年のFS音源採用のFSR1へ、そしてインターネットにダイレクトに接続できるELS-01(STAGEA)へ、最高峰のMOTIEF ESへと発展していくのです。

    これは最近出たYAMAHAのデジタル・ドラムなんだけど、うちの息子にこの前買ってあげたドラムなんだけどね。いままで、まともなシンセドラム・セットって30万円以上もしたんだよ。ね。息子がバンドで生ドラムの練習していると、夜はさすがに騒音が気になるのだけれど、このシンセ・ドラムだとヘッドフォンつけてサウンドモニターできるので、外に聞こえる音は夜中でもポコポコと音がするだけ。それでもヘッドフォンからは、デジタルでサンプリングしたプロの叩いたシンバルの音が強烈なスネヤとかが、ここを叩くとトリガーが掛かってデジタルで生成されて出てくる。変なもんでさぁ、ドラムってリズムが少し狂っても、出てくる音の品質で急にうまくなったなコイツって思うこともあるんだなぁ。従来だったら30万円位したものが、今ではなんと8万円前後で購入する(DTXPLORER)ことができるような時代になったしまいました。デジタルの進歩っていうのは、このような分野でも日進月歩なんですね。(ハイエンド商品こちら

    November 03

    放送とデジタル -ワンセグって何?-

    10月31日

    麻布学園 特別授業 第4回-1時限 10月21日 修正後

    おはようございます。中尾といいますよろしくお願いします。私もここの卒業生でして、久しぶりに来まして、すごく懐かしい想いです。それでは授業を開始させていただきます。隣にいる古川さんとは10年ぐらい前からお付き合いで、ひょんなことから古川さんが大先輩であることが分かりましてそれ以来、いろいろと良くして頂き、今日もそのご縁でご紹介いただきまして、少しでもみんなの参考になればと思います。さて、テーマは”放送とデジタル”ということで、私はTBSというテレビ局に勤めておりまして、今の仕事はテレビ局の中で番組を作ったりもするんですが、それよりも、デジタル系のeコマースの仕組みを作ったりとか、放送と通信の架け橋の仕事を主にしています。放送と通信、そして新しいデジタル放送の仕組みとか、今どういう状況で進んでいるかとかを中心にお話できればと考えています。そのなかで、ワンセグっていうのみんな知ってますか? じゃ、ワンセグのケータイを持っている人は?(2名の手が上がる) 何人かいるね。そのワンセグという新しい構想が始まっているので、それについての話もしたいなと思っています。では、よろしくお願いします。 

    今日のテーマはデジタルということですが、放送とデジタルの関係とは何でしょうか。もともと放送技術はアナログから始まっており、放送の映像伝送の技術がアナログからデジタルに変わることで、いろんな多くのデータが送れるようになりました。それがデジタル化の第一歩であり、最初に始まったデジタル放送というのはCSデジタル放送です。SkyPerfectTVなどを見ておられて感じると思いますが、デジタルをどういうところに使ったかといいますと、データを圧縮することで、多チャンネル放送を実現しました。それまでもアナログのCS放送はありましたが、それで1チャンネルしか送れなかったところを、デジタル技術で3チャンネルとか4チャンネルを送れるようになって、いまでは100チャンネルなどと、すごい多くのチャンネルをサービスしています。それはこのデジタルの技術を使うことによってできるようになっているのです。新しいデジタル技術を使って新しい放送サービスができたっていうのが、放送とデジタルの重要なポイントだと思います。 

    さて、違った観点でデジタル技術の放送サービスへの応用は、通信型サービスとの連携が可能となるということです。これがどういった放送で使用されたかというと、BSデジタル放送。今この中でBSデジタル放送が家で見れるひとって?(半数ほどの挙手) このBSデジタル放送というのが始まったのが2000年の12月、今から5年ぐらい前。このときが、放送がデジタルになったひとつのターニングポイントで、放送サービスへの応用ということでは、高精細の映像(デジタルハイビジョン)、つまり、デジタルでデータを圧縮することで一定のチャンネル帯域で多くのデータを送れるようになったのです。先ほどは多チャンネルでしたが、今度はよりキレイな映像を送ることを実現しました。今のプラズマテレビとか液晶テレビではだいたいハイビジョンで見えてます。 もうひとつはデータ放送です。これも放送のひとつなんですけども、テレビ映像ではなくてWebみたいな、静止画だったり文字だったりを放送の電波を使って送るサービスです。これまで映像しか送っていなかった放送にプラス・アルファのサービスとして提供されています。これがBSデジタル放送で非常に盛んにサービスされるようになりました。このデータ放送を通信を使った双方向サービスと組み合わせることによって、新しいサービスが提供できないかということでいろいろやってます。たとえば、クイズやショッピング、投票行動などをBSデジタル放送の開始とともにスタートしました。

    CS、BSと来て最後の集大成として地上波のデジタル化が進んでおります。地上波というのが何かというと、TBSだとかフジテレビだとかテレビ朝日だとかという、君たちが日常見ているテレビ、これが地上波です。衛星放送というのは空にある衛星から直接電波が降ってくるですけれども、地上波というのは東京であれば東京タワーから電波が出るので、東京タワー(電波塔)からの電波を受けているということから、地上波放送という言い方をします。地上波デジタル放送は2003年から開始されていまして、アナログ放送がデジタル放送へとどんどん変わっていきます。今年2006年の末までには全国で地上波デジタル放送がサービスされるようになって、2011年にはアナログ放送が終わってしまいます。

    その移行がどんな感じで進んでいるのかというのが、このロードマップです。東京や大阪は2003年から始まっており、2006年末までに、ほぼ3700万世帯、日本全域をカバーし、2011年までに難聴地域のカバー率を高めていきます。東京であれば既にデジタル放送を視聴できるようになってますし、CATV経由で見ている世帯もあるでしょう。

     

     

     

    現状、東京タワーから20~30キロ圏内には電波が届いてます。その外は中継局(東京タワーのミニチュア版)があって、その電波を受信しています。あとは、東京タワーの電波ではなく、CATVのチャンネルで地上波デジタル放送を受けることもあります。いまでは、関東エリア一円では全部地上波デジタル放送が受信できるようになっています。 

     

     

    地上波デジタル放送が今までのアナログ放送と何が違うかといえば、BSと同じでハイビジョン化、高精細でテレビが見れます、また、データ放送があってクイズであったり、ショッピングであったりということができるようになってます。(双方化) そして、一番新しいサービスが、冒頭にもありましたけれども、ワンセグサービス。今手元にケータイがあるんですけど、この部屋でもかろうじて受かっております。このケータイのような端末でテレビを見ることができるということがワンセグサービスです。

     

     

     

    具体的にワンセグサービスというのが何かというのを話してみたいと思います。ワンセグサービスというのは今年の4月に開始されたばかりの放送で、基本的には固定向けと同じ放送、固定というのは家で見ている放送、お茶の間で見ている放送とまったく同じものがケータイなどの端末で見れるようになってます。CSやCATVなどは有料ですが、ワンセグは無料です。i-modeなどケータイのサービスでは課金されますが、ワンセグはケータイで受信しても無料です。もうひとつは映像が乱れずキレイ。カーナビなどでテレビを見たことがあると思いますが、昔のカーナビですと少し走ったりすると映像が乱れたりしますが、ワンセグ放送になるとデジタルの強みを使って電波が乱れません。ワンセグ対応のカーナビであれば、車が走っていても、映像が乱れることが一切無く、見ることができます。もうひとつ、さっきのBSと同じなんですけど、ワンセグにもデータ放送というのがあります。データ放送を使った双方向の、放送と通信の連携した新しいサービスをやっています。これは後でゆっくり紹介します。

    ここにあるのがワンセグの端末の紹介です。メインはここにあるようなケータイでテレビを見るのが中心になります。

     

     

     

     

    いろいろなメーカから既に出ています。

     

     

     

     

     

    もうひとつはカーナビですね。

     

     

     

     

     

    また、パソコンでワンセグが見れたり、松下のポータブルDVDプレイヤーや任天堂のDSでも、もうすぐワンセグが見れるようになります。チューナーのモジュールを差し込むとゲーム機がテレビになってしまいます。

     

     

     

     

    それでは、ワンセグの仕掛けについてお話します。何で、ワンセグっていうのかというと、地上波デジタル放送はここにあるように13の箱(デジタルのデータ)が並んでおり、そのうちのひとつの箱だけを使っているサービスということで、ワンセグなんですね。残りの12の箱を固定向け(お茶の間のテレビ向け)にサービスをしており、13のセグメントのうち1つのセグメントを使うのでワンセグと呼んでます。

     

     

     

    ワンセグの仕掛けはケータイを例にとると、映像とデータ放送をひとつの端末で全部見れる。こんな小さなケータイの中にいろんな仕掛けが全部入ってます。例えば、通信も放送も全部ひとつの端末で受かるので、通信用のアンテナと放送用のアンテナが2種類あるし、ブラウザもインターネット用とデータ放送用が入っている、テレビのチューナーも当然入っている。いろんな仕掛けがこのちっちゃな端末に入っていて、ワンセグというサービスが実現されています。私がワンセグに興味を持って実験を始めた頃(4から5年前)はラック何本などになる大規模な仕掛けでしたが、今ケータイひとつに入っているということに、技術の進歩というものは相変わらずすごいなと思っています。

     

     

    繰り返しになりますが、ワンセグには新しいサービス、データ放送のサービスがあります。これは、テレビ放送の電波を使ってWebと同様の情報を送ることができるサービスで、ワンセグのひとつの大きな特徴です。

    ワンセグのイメージを表示しますと。上に表示されるのが映像でして、その下にデータ放送でWeb同様の情報を放送を使って送っています。

    地震や台風の情報があると、データ放送で、リアルタイムにいろいろな情報を送り、放送と連動したより詳しい情報、映像では送れないような細かな情報を伝えていきます。ケータイ電話を誰もが一人一台持っているということで、いつでもどこでも必要な情報を手に入れられるというのが重要なので、天気は最新の情報が送られています。

    データ放送の仕掛けを使っていろんなことができます。

    文字が横スクロールするティッカーで様々な情報をリアルタイムで生に送ることができます。

    実際に放送している番組の情報をどんどん送ったりすることもできます。例えば、映像情報に連動した形で、紹介しているお店の住所や電話番号などをすぐに見ることができます。番組だと映像がすぐに流れていっちゃうんだけれど、もう一回チェックしたいというようなときはデータ放送の情報を見ることによって、より詳しく知ることができます。

    野球では映像を見ながら進行状況、例えば、過去の何回はどうだったかとか、ほかの試合の経過はどうかというのも、データ放送というサービスがあれば同時に見ることができるようになります。野球の生放送と連動して新しいサービスをすることができます。

    サッカーのワールドカップでは、映像と連動して試合経過や現在のスコアが、データ放送を通してみることができました。スタメンやどんなメンバーが出ていたのかなどの情報をデータ放送で見ることができたのです。また、その中では、応援メッセージを送ることができました。通信を通して番組に送られてきた選手応援メッセージをデータ放送を通して表示することができるのです。

    あとはですね、実際にやった亀田興毅の世界戦の時には、何ラウンドでKOするかをクイズというか投票みたいなことをしました。ワールドカップのときと同様に、応援メッセージを送ったり、ということを番組と連動して、生の形で送ることができました。

    今やっている番組、”夢の扉”という番組なんですが、この番組に向けてメッセージを送ると(この番組の場合は自分の夢なんですが)、自分の送ったメッセージがデータ放送を通じて表示される、放送として送られてくるというのが新しいサービスです。送った人全員がデータ放送で取り上げられるというわけではありませんが、一部の人のメッセージを送るというサービスです。一方的に放送局側からいろんなメッセージを送るだけではなく、見ているみんなのメッセージも受け取って、放送でフィードバックするという双方向のやり取りを、このデータ放送というツールを使うことによって可能になりました。しかも、ケータイなので個人個人にメッセージが送られたかのようなことができ、これまでの使われ方(お茶の間でみんなでテレビを見ている)とは違うのではないかと思います。

    データ放送サービスをさらに進化した形は、Web連携型サービスがあります。放送の世界から通信の世界へ飛んでゆくというのをどんどんやっていきたいと思います。

    まず、TBSがやっている検索サービスについて例を挙げますと、データ放送の画面から”遊Boo学Boo"というサービスが真ん中に表示されています。これは、リクルートという会社と一緒にやっているサービスで、データ放送から通信のサイトに飛んで行って、いろんな情報を検索することができます。いままでテレビを見ていて、番組に関連するサービスを検索しようとすると、パソコンを立ち上げなければなりませんでしたが、ワンセグであれば、ひとつの同じケータイで、見ていて気になった情報があったらすぐにそのキーワードを入れて検索ができます。テレビを見ながらネットに接続して新しいサービスを利用するということが、いままでのテレビとの違いかなぁと思います。 

    もうひとつは、テレビを見ながらお買い物をするという例です。今までですと、ショッピング番組を見ていると電話を掛けるということだったんですが、ワンセグでは映像でテレビの放送をしていると同時に、データ放送ではいろんな商品の紹介をしていますし、その紹介内容からネットに飛んでいってショッピングできちゃいます。一つの端末で全部できちゃうというのがワンセグというサービスの特徴だと思います。ワンストップでひとつの端末でテレビも通信も両方を実現できているというところがテレビと違うところです。

    電話との連携サービスについて見てゆくと、例えば買い物番組の中で、今すぐ電話でお買い求めくださいという場面で、ワンセグ放送をケータイで視聴している場合は、当たり前ですが電話機能がついており、データ放送の中の”話す”というボタンを押すことで自動的に電話が掛かるというサービスも実現しています。保険のCMなどで、”電話してください”と連呼していますが、ああいうのも、データ放送を使ってやると、CM映像が流れた瞬間に電話機能呼び出しボタンを画面上に置いて、電話させるなんてこともできるようになります。

     

     

    ワンセグのデータ放送を使うことにより、情報提供したり、コマースしたり、アンケートに参加したりといろんなことができるようになっています。テレビだけではできなかったような新しいサービスをどんどん実現することができます。放送と通信の組み合わせによる新しいサービスを今年の4月からですが、今まさにやっているのです。

    ワンセグ以外で放送とデジタルの連携ってどんなものがあるのかなぁと考えてみると、放送というのは放送局から大勢の人に向けて、1to多(マス)のサービスである一方、1to1、AさんとBさんの間で成立させるのが通信という違いがあります。こうした違いのある放送と通信を連携させてどんなことができるのかということを、TBSがこれまでやってきた試みをいくつか紹介する中で見てゆきたいと思います。

     

     

     

    先ずは、放送コンテンツの通信利用というのがあります。番組をネットで見ましょうというのが一番オーソドックスなものだと思います。過去にやったドラマや映画などをネットで配信しています。フジテレビとTBSとテレビ朝日の三社で作ったトレソーラという会社を使って、過去の番組のネット配信トライアルをやってます。あと、これは今もやってるサービスなんですが、TBS BooBoo Boxという過去の番組(ドラマやグラビア映像、過去の映像、DVD映画など)のネット配信を有料でやってます。

     

     

    放送と通信の連携のもうひとつとしては、番組に参加させるというのがあります。ワンセグにとらわれず、テレビ番組とi-modeを始めとするケータイ電話のサービスとを連携したサービスの紹介をさせてください。

     

     

     

     

    ひとつは5年ぐらい前からやってるんですが、オールスター感謝祭という生放送において、出演者がやっているのとまったく同じクイズを視聴者が参加できるようになっています。5年前は参加者が1000人程度でしたが、現在ではケータイ電話を通して数十万人の人が参加しています。それまでは芸能人がクイズに取り組むのを一方的に見るだけで楽しんでいたのが、通信の仕掛けを使うことによって、視聴者がどんどん参加して番組に入り込んで楽しんでいるのです。 

     

     

    これは、恋愛脳℃という深夜番組で、もう終了していますが、番組の中で脳診断というのをやっていました。視聴者が通信を通じて参加し、タレントとの相性診断などを行い、毎週参加者が1万人以上いました。テレビは1to多という形で視聴者は受身で見るという形が多かったんですが、視聴者としては参加したいという思いが結構あって、その思いを放送局としてどう取って行くかというところで、放送と通信の連携という仕掛けを使うといろんなことができるのかなと思います。

     

     

    現在深夜放送をしているオリラジRでは、番組とSNSの融合を目指していまして、視聴者で作るSNSから出てきた情報を番組で吸い上げて、番組の情報をSNSに戻すというような、いままでは番組がいろいろな情報を収集してきて放送するという流れだったんですけども、一般の方々の情報を番組に上げてゆくという新しい仕掛けを実験的にやってます。放送局はネットの情報をどう使っていくか試行錯誤していたのですが、ここ数年ネットの情報を積極的に使っていくトライをしていますので、TBS以外でもいろいろやっていると思います。こうしたことが、放送と通信の連携というか融合という試みとなっているのかなぁと思います。

     

     

    TBSが現在もやっているデジタル技術の利用方法としては、TBS NEWS BIRDがあります。これはCSの24時間の放送なんですが、完全に全ての番組をデジタルで制作しています。デジタル化された素材を組み合わせることで、いろいろなOUTPUTを作れるというのが面白い新しい仕掛けだと思います。

    生放送は1回だけで後は既にデジタル化された素材AとBで15分の番組ができます。放送同録というのは生放送を同時にデジタル収録して新たな素材(C,D,...)を制作しています。素材がいくつかあって、生放送の頭ちょっとだけをとれば1時間分の番組ができてしまいます。これは、全部デジタルだからできるので、今までのアナログ制作では、素材があってもその間を常に生放送で繋いでいかなければなりませんでした。ニュース素材を全てデジタル・データとしてハードディスクに保存し、それを組み合わせることにより、ローコストで24時間放送を実検することができました。これが、CSのNEWS BIRDの仕掛けです。

     放送はデジタル技術を取り入れることで、映像がキレイになったり、チャンネルが増えたり、通信との連携でいろいろ新しいサービスができるようになったのですが、基本的に放送局としては視聴者に正確な情報を伝えるため、視聴者に番組を楽しんでもらうために、デジタルの仕掛けを使ってゆきたいと考えています。また、デジタル技術を使うにあったっても、こんなことができる、あんなことができたと、独りよがりで視聴者に使いづらいシステムにならないように、放送として伝えたいことをさらにより分かりやすく、楽しく、とするのがデジタルを使う最大のメリットであると思ってます。視聴者にとってデジタル放送がどう役に立つのか、どういうことを実現してゆくのかということを、考えてゆかなければならないし、この中の何人かの方が放送業界に興味を持つとするならば、デジタルの仕組みを使ってどんな未来の放送ができるのかを考えてもらいたいと思います。デジタルの放送利用はさらに広がってゆくでしょう。一方で、視聴者側でも、これまではお茶の間でテレビをリアルタイムで見るというのが中心であったんですが、ワンセグのようなものでいつでもどこでも放送が見れるようになったり、一人で部屋で見たりと、放送を見る形も変わってきています。パソコンで放送を見るようになったり、ハードディスクレコーダー等でテレビ放送の録画がどんどん進んでいるんですけれども、放送局としては録画してもCMを見てもらう仕組みを考えたりとか、録画した放送は有料で見てもらうとかいろいろなやり方があると思いますけれども、デジタルと仕掛けを使って、より放送を見てもらって、よりコンテンツを楽しんでもらうということができればなと思っています。放送の、ネットやケータイとの組み合わせとか、そこでの情報を放送へフィードバックしたりとかをどんどん進めたいと思ってます。これから放送でどんなことが起こってゆくのか注意して見ていってほしいと思います。これからどんどん変わってゆくと思います。こう放送が変わってほしいとか、こう変わったほうがいいとかメッセージをあげてもらえると、番組の作り手側も君たちのような若い感性を受け入れてゆき、新しく楽しいデジタルの仕組みを取り込んだ番組ができればなぁと思っています。